この記事では公益社団法人 全国工業高等学校長協会が実施している
計算技術検定1級の統計処理の解説と合格手順を教えます。
1級はとても難易度が高いですが、慣れれば簡単です。ぜひ合格を目指して頑張ってください!

過去に実施された計算技術検定の問題はこちらから見れます。※PDFファイルです。
統計処理 [1] [2] 完全攻略!!
まず、統計処理の[1],[2]に必ずと言っていいほど出るのが
・多数のデータから、平均値、標準偏差、相対度数などを求める問題
・階級値、相対度数を求めて度数分布表を作り、平均、標準偏差を求める問題
上記のうち1つは[1]か[2]で必ず出ます。
実際の過去問を解きながら解説します。
令和2年度 第83回 [1]

それでは解いていきましょう。
1.まずは、「統計計算モード」にします。
「MENU」→「6」→「1(1変数統計)」にします。
2.数字を打ち込む
今回のデータは分秒で書かれているので、
入力するときに □゜□゜にします。例)19:09→19゜09゜


全部打ちます。
時間の数値は「H゜M’ S”」H(hour)゜M(minute)’ S(second)”にして入力しましょう。
3.後は計算一覧にするだけ!
「OPTN」→「3(1変数統計計算一覧)」

x(エックスバー)→平均
σx→標準偏差 を表しています。
ただ今回は□゜□゜で入力したので戻す必要があります。
「MENU」→「1」で基本計算モードに戻って、「20.170…」と入力して、

このボタンを入力するだけ!
「20゜10′ 15″」と出てくるので答えは「20分10秒」です。標準偏差も同じようにできます。
令和2年度 第82回 [1]

こちらも同じように解けます。
1.統計計算モード「MENU」→「6」→「1(1変数統計)」にする
2.数字を打ち込む
(1)と(2)は人口について聞いているので、表の上段の数値のみを入力します。

3.1変数統計計算一覧にする!※四捨五入を忘れずに!

(3)の人口密度も簡単です。
人口密度=人口÷面積 で求められます。
※ただ、単位が人/kmになってるのに注意してください。表の数値は万人と百km²です。
まず、人口をすべて単位換算して足します。
例)713.0万人→7130000人 1286.8万人→12868000人
足したら「67466000(人)」になります。
後は、面積の合計も足して割ったら出てきます。
面積はすべて×100して足してください。
※人口密度の問題はめったにでないので、出来なくても大丈夫です。
令和2年度 第83回 [2]

1.まずは階級値を求める
階級値とは、各階級の中央の値のことです。
1は階級が97.0~98.0なので階級値は、(97.0+98.0)÷2で97.5です。
2は階級が98.0~99.0なので階級値は、(98.0+99.0)÷2で98.5です。
残りも同じようにして、3:99.5、4:100.5、5:101.5、6:102.5 になります。
2.度数と相対度数を求める
相対度数=その階級の度数÷度数の合計
この公式を覚えておけば、解けます。
まずは(ア)を求めてみましょう。
度数(4)、合計は50なので、
4÷50=0.08
ここで注意なのが、相対度数の単位は[%]なので、×100します。
よって、0.08×100=8
次は(イ)です。
相対度数が16[%]なので
x÷50=0.16
x=8
(エ)は、50-(3+4+8+18+11)=6 になります。
よって相対度数(オ)は、6÷50×100=12
簡単ですね。(ウ)は36です。
(3)、(4)は、統計計算モードで入力するだけですが、今回は、度数があるので、度数も入力します。
統計計算モード「MENU」→「6」→「1(1変数統計)」にして、
「SHIFT」→「MENU(SETUP)」→下に行って「3(統計計算)」→「2(度数表示する)」
そしたら「Freq」が出てきます。FreqとはFrequency(度数)の略で、その名の通り、
ここには度数(確率)を入力してください。階級値は左です。

後は計算一覧にするだけ!「OPTN」→「3(1変数統計計算一覧)」

(3)平均値:100.46 (4)標準偏差:1.31
令和2年度 第82回 [2]

今回の問題はまず、度数を求めてから、相対度数を求め、平均値と標準偏差を求めるだけです。
やってみてください。
簡単だと思います。
答えは、(ア)4 (イ)7 (ウ)6 (エ)8 (オ)5 (カ)13.3 (キ)23.3 (ク)20.0 (ケ)26.7 (コ)16.7
(3)2.1 (4)1.3 です。
簡単ですね、これで40~50点を取ることが出来ちゃいます!70点以上で合格なのであと20~30点分頑張りましょう!
統計処理 [3] 完全攻略!!
統計処理の[3]で出るのが、確率、期待値、二項分布です。
どれも解き方を理解するのは簡単です。それではまず、確率分布表を埋めて期待値を出す問題をやっていきましょう。
令和元年度 第80回 [3]

まず、問題をよく読みましょう。
・3試合行う
・勝った時:2点 勝つ確率:1/2(2分の1)
・引き分け:1点 引き分けの確率:1/6(6分の1)
・負けた時:0点 負ける確率:1/3(3分の1)
それでは、(1)の確率分布表を埋めていきましょう。
(ア)は勝ち点が1点の時です。
3試合して勝ち点が1点の時を考えると
引き分け:1回 負け:2回 しか考えられませんよね。(1+0+0)
よって、この時の確率を求めればいいのです。
この時に使う公式がこちらです。

は!?
ってなる方もいると思います。
わたしも、受けた当時は習っていなかったので、混乱しました(苦笑)
まだ習ってない方向けに、わかりやすくすると・・・

ごちゃごちゃしてますが、これを見ながらやっていきましょう。
「n」は全部の回数です。今回は、3試合行うので「3」になります。
「r」は基準とした事柄が起こった回数です。
起きた事柄は、「引き分け」と「負け」です。今回は「引き分け」を基準として考えます。
すると、「引き分け」が起こった回数は、1回なので「r」は「1」になります。
「p」は基準とした事柄が起きる確率すなわち、「引き分け」が起きる確率なので、
「p」は「1/6(6分の1)」になります。
「q」はそれ以外の事柄が起きる確率すなわち、「負け」が起きる確率なので、
「q」は「1/3(3分の1)」 になります。
「n-r」は、単純に「q」が起こった回数なので、「負け」が起きる回数は、2回なので
「n-r」は「2」になります。
上記より式は、

よって、(ア)は「0.056」です。
簡単ですね!最初は難しいかもしれませんが、慣れればスラスラと出来ます!
同じように(イ)もやりましょう。
勝ち点が3点になる時は、
・勝ち:1回、引き分け:1回、負け:1回
・引き分け:3回
の2通りありますね。このように複数通りある場合は、それぞれ確率を求めて足すだけです!
製作中です。すまぬ。
コメント
コメント一覧 (2件)
[…] ※取った順に記載しています。高校1年生・計算技術検定3級 (2点) 簡単・情報技術検定3級 (2点) 簡単・危険物乙4 (4点) 覚えること多め →私がしていた危険物乙4の勉強方法はこちら・計算技術検定2級 (7点) 簡単・アマチュア無線技士4級 (1点) 簡単高校2年生・情報技術検定2級 (4点) 簡単・計算技術検定1級 (20点) 高2で取るのは難しい(微積などあるから) 参考・リスニング英語検定1級 (12点) 簡単・ITパスポート (12点) 難しい →私がしていたITパスポートの勉強方法はこちら・ウェブデザイン技能検定3級 (7点) 対策本があまり無いためやや難・パソコン利用技術検定2級 (4点) 簡単高校3年生・機械製図検定 (7点) 学科は簡単 実技試験が難しい […]
初コメント失礼します!
自分は今計算技術検定3級持ってて、先生から1級を受けることを勧められて勉強してます!今まで統計計算モードの使い方も分からなかったのですが、そんな自分でもとても理解しやすかったです!できればでいいのですが、計算技術検定1級(2)ベクトルと面積・体積の問題も解説お願いしたいです!ご検討よろしくお願いします!